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【映画】リトルボーイ 小さな僕と戦争

5/10
 

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争 [DVD]

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 第二次世界大戦中のアメリカ。ある少年は父親の愛情いっぱいに育ったが、少年は発達に問題があるらしく低身長で、ガキ大将からイジメられたりした。少年の兄が扁平足で兵士になれないので、父親が行くことになり、涙の別れとなる。
 少年は大好きなマジシャンの影響で自分も超能力を使えるらしいことがわかり、さらに少年の町に日本人のオッサンがいるらしいことがわかると、兄と二人で襲撃しに行き、少年が投げた石は窓にクリーンヒットし、兄は扁平足のせいで火炎瓶を足下に投げ落としてしまい、牢獄行きとなる。
 なぜかオッサンは神父と仲が良いらしく、神父は少年に説教し、父に帰ってきてほしくば、聖書から引用した「リスト」に書かれた事を実行せよと伝える。具体的には、貧者に飯を与えよとか、裸者に服を与えよとか、最後に神父は、日本人のオッサンに親切にせよと付け加える。
 しぶしぶ少年はオッサンに近付くが、オッサンも窓を破壊されているので渋い顔で迎えるが、やがて二人は距離を縮めていく。
 しかし少年の父が日本軍の捕虜になり、兄は憎悪を増し、差別はキツくなっていくが、少年の超能力が爆発し、戦争を終わらせるまでに成長していく。

 少年が父を思う行動は涙を誘うものがある。超能力を使おうとするシーンは笑いどころで、なおかつこっちまで恥ずかしくなりそうなシーンだと思うのだが、山を動かすシーンは少し戸惑った。ここから、戦争を終わらそうとするのだが、嫌な予感がし始め、それが的中すると、果たしてどういった目でこれを見たら良いのだろう、とおもった。

 フィクションで奇跡の偶然は禁忌であると何処かで聞いたが、この映画はそれを犯してしまったのではないか。そして不謹慎な気がする。

 その疑問が最後まで付きまとい、何やら感動度は著しく低下してしまった。

 今にして思うと、不謹慎度を緩和するために日本人を登場させたのではないかとさえ疑ってしまう。うーむ…。