Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただのメモ。

【心理本】バカボンのママはなぜ美人なのか 嫉妬の正体

 少女マンガ家である著者は子供のころからとかく嫉妬深い性格だったようで、幼少期から今に至るまでどんな嫉妬をしてきたかを赤裸々に綴っている。また、嫉妬についての自らの分析を余す所なく公開し、女の人が何に、なぜ嫉妬するのかも書いている。そして、嫉妬する人へ向けてのアドヴァイスと、嫉妬の本質に迫ろうと試みている。
 この本は強いて言うならば、嫉妬の炎に狂いすぎて何がなんだかわからない、という人をまともな人に近付けるようにしてくれる本だろうか。アドバイスは別段良いことが書いてあるわけではなく、常識的なことであるし、嫉妬の正体といっても、特に目新しい、なるほど思えるようなものではなかった。そして嫉妬の炎に木をくべるのに忙しい人はそもそもこの本を手にすることもなく、この本を見ようと思う人はすでにまともなのではないだろうか。もちろん誰でも嫉妬をした経験はあるだろうが、この著者はすべてをさらけだしていて、そこは正直だなと思うものの、だんだん嫌悪感に似たものを覚えてしまうのである。