Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただのメモ。

【邦画】『風に立つライオン』感想

 大沢たかお演じる医師がケニアへ派遣され、医療に従事するものの、そこで目の当たりにしたのは、麻薬を打たれて兵士にされる少年や、地雷原を歩かされる少年たちという、過酷な現実であった。

 さだまさしの同名楽曲、および小説がもとになっていて、主人公の医師は実在する人物である。

 この映画は感動的である。アフリカのケニアで起きる残酷な現実と悲劇。その一方で、主人公の意志を継いでいく者たちがいて、希望がある。

 中盤にさしかかると、この物語の最後に起きる悲劇を観客は気付く。そして、開幕に登場する黒人青年の正体もわかり始める。

 非常に勝手な話だが、僕はこの映画はノンフィクションだと思っていた。実在の人物をモデルにしているということ、中盤から始まるインタビュー形式の話の語り方。
 しかしそうではないらしい。ウィキペディアの、モデルになった医師の項をみるとわかった。
 
 なぜこうも悲劇的な物語にしたのだろう。ハッピーエンドでなければならない、というわけではない。

 ただ、何か違和感があって、この映画は中途半端な感じがする。事実的なのに実際は虚構だからかもしれない。個人的に変な期待をしていたのかもしれない。
 そういうわけで、この映画は感動的だがいまいち感動しきれない。