Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただのメモ。

【映画】ルドルフとイッパイアッテナ

 児童文学を3DCG化。

 りえちゃん家に飼われている小さい黒猫のルドルフは、ひょんな事から家の外に飛び出し、いつのまにか「お魚くわえたどら猫」状態になってしまう。裸足でかけてくる愉快なサザエさんではなく、どちらかというと三河屋的な人が台車を乗り回しブラシを振り回して転がってくるのである。そんなだからルドルフも動転して、トラックに逃げ込むが、三河屋の執念の攻撃により、気絶してしまう。

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【新書】読書力 齋藤孝 岩波新書

読書力 (岩波新書)

読書力 (岩波新書)

 明治大学教授の齋藤孝先生の新書。

 読書は、「した方が良い」ではなく、「しなければならない」ものである。

 その理由は、読書力が上がることによって、自己形成の糧になったり、コミュ力が向上したり、ほかにも様々な効用があるからである。

 「読書力がある」とは、「文庫百冊・新書五十冊読んだ」ということである。巻末には著者のおすすめ文庫リストがある。

 考えるというのは、言葉でするものだ。語彙が貧弱ならば、思考も貧弱になる。読書することによって語彙が増える。それによって思考力も鍛えられる。

 本を読むぞ!という気持ちになる本であった。

【小説】聖なる怠け者の冒険

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

 京都の町にうごめく正義の味方、ぽんぽこ仮面。そしてゴロゴロするのが好きな怠け者の主人公。彼はなぜかぽんぽこ仮面の後継ぎに指名されるが、のらりくらりとかわしていると、ぽんぽこ仮面はいきなり謎の集団に追いかけ回されることになり、主人公は安心してゴロゴロし始める。

 この作品ももれなく森見ワールド全開である。なんだかほかの作品でもこんな感じだったなと、若干デジャヴを感じるが、それは森見氏の計算らしい。

 タヌキに関する描写が秀逸で、タヌキが愛らしく思え、微笑ましい。

 作品全体を貫くゆる〜い空気感がまた良い。