Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただのメモ。

テイルズオブヴェスペリア

テイルズ オブ ヴェスペリア PlayStation3 the Best

テイルズ オブ ヴェスペリア PlayStation3 the Best

 この世界では魔法を使うために「ブラスティア」と呼ばれるアイテムが必要で、その数は限られていて、人々の生活にも、なくてはならない物になっていた。ある日、王都の下町で水道を司るブラスティアが盗まれてしまう。下町の青年がこれを探しているうちになにやら次第に事が大きくなっていくのである。
 ボリューム満点。よくディスク一枚に収まった。やりこみ要素色々あり、クリア後の引き継ぎもあるが、クリアするだけでおなかいっぱいである。
 シナリオが長いけども、各シーンにおいてキャラクターの言動が割とあっさりしているので、だれない。
 どうせ買うならPS3版をお勧めする。追加要素があるからだ。

『タマゾン川 多摩川でいのちを考える』 山崎充哲

タマゾン川   多摩川でいのちを考える

タマゾン川 多摩川でいのちを考える

 かつては綺麗だった多摩川、山崎少年はそこで遊び、育ち、やがて川が汚水の川となりヘドロの玉をふわふわと放出しはじめ、すぐ上を通る電車に入り込み乗客に被害を与えるものの、大人になった山崎氏は自然環境調査員になり経験を積んで川へと戻ってくる、すると、そこには外来魚が住み着いてたので、著者は何気なく「タマゾン川、なんつって」とかなんとか言うと、流行語大賞にノミネートするのである。
 金魚を捨てなければならない少年が、川辺にいた。泣いている少年に著者は、近くの公園の生けすに放とう、と提案する。すると後日、金魚は百匹に増えていた。巨大な外来魚も出現していた。外来魚の金魚大食い選手権状態だった。それを見て、著者はこの生けすを「おさかなポスト」にしてしまう。そのことが世に出ると、各地から魚を捨てに来る者が殺到。それを取材しようとするディレクターが殴られる。
著者は魚を「殺さず」に保護するやり方で、生態系を守ろうとする。また、大震災時の緊迫した状況も綴られている。

 生態系などに疎い自分もよくわかったので、これは子供でも読めるのだろう。著者の温かさに触れ、魚のことについてよく知ることができた。また、生き物を飼うことの責任についても考えさせられた。

『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』 今野晴貴

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)

 ブラック企業が若者を大量に雇っては優秀な者を残し、いらない者は「合法的」に圧力をかけ辞めさせる「選別」を行うため、あるいは残業代も払わず働くだけ働かせた末に捨てるため、多くの若人は精神や社会的な諸々を破壊され、表面上は自主退職なので社会の救済は受けられず、そのツケは民衆が払うことになり、子供を作る余裕など生まれるはずもないので少子化は進行し、老人ホームでは虐待が横行する。ブラック企業がのさばれば、日本国の未来が危ぶまれると、今野氏は憤っている。
 本書では、なぜ、どのようにブラック企業が労働者を喰いつぶすのか、それから個人としてどのように立ち向かっていけばよいのかが説明されている。また、ブラック企業が個人だけでなく日本全体に与える影響を解説。
 
 あらゆる企業がブラック化する可能性を秘めており、我々一人ひとりが、監視し、「俺がこの企業を変える」ぐらいに思わなければならないのだ。けれども、実際、恐怖に縮こまって、社会すべてブラックではないのかと思えてくる。できれば関わり合いたくないし、すぐにでも退避したい。しかし、逃げていてもブラック企業は無くならない。みんなが戦略的思考を養い、戦っていけば、ブラック企業は自然消滅するはずだと今野氏は述べる。
 この本は読みやすくて、わかりやすく、多少の勇気をもらった気がする。締めくくりには、今野氏の清々しい希望を感じた。