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Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただの読書メモ。

生きることは学ぶこと。『人はなぜ学ばなければならないのか』齋藤孝

 題名通り、人はなぜ学ばなければならないのか、学ぶことでどうなるのか、学ぶとは何か。
 明治大学教授の齋藤孝先生が語る。

 学ぶことは変わること。もっと言うと、生きることは学ぶことなのである。

 印象に残ったのは諭吉と孔子の言葉。
 二人共、「人はみな大した違いはない。ただ学ぶ人と学ばない人がいるだけだ」みたいなことを言っているということ。

『国家の品格』

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

 日本は国家の品格を無くしてしまったらしい。
 原因は、近代に欧米の価値観が入ってきたためか。

 論理や合理は重要だが、それだけではだめだという。
 論理的に正しいことと、善悪は別なのである。
 さらに、「大事なこと」は論理では説明できない。

 論理や合理に必要なもの。それは情緒や形。
 情緒や形とは、自然に対する繊細な感受性だという。

 そこで著者が言うのは「武士道精神」の復活。
 むかしは、大事なことは論理で説明していなかった。

 なぜ人をイジメてはいけないのか?

 「ならぬものはならぬ」のである。
 卑怯を憎む心を育てなければならない。
 
 結局のところ、「国家の品格」とは何なのか?
 著者は4つの指標があるとする。

 一つは独立不羈。独立国家であること。
 二つめは高い道徳。
 三つ目は美しい田園。
 四つ目は天才の輩出。

 著者は、この世界を救うのは日本人しかいない!とし、失われつつある国家の品格を取り戻し、保たなければならない、と言う。

 若干、日本礼賛&懐古なのかなと思ったが、面白かった。
 ナショナリズム愛国主義)ではなく、パトリオティズム(祖国愛)なのである。

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『新津春子。世界一のおそうじマイスター!』

 

 
 中国残留孤児日本人の父と、中国人の母のもとに生まれた春子さん。

 中国で年頃になるまで育つが、「日本鬼子」と呼ばれいじめられる。

 17歳の頃、日本へ家族と共に渡り、清掃のアルバイトを始める。

 そんなおり、「清掃の神」と呼ばれる人物と出会い、春子さんは本格的にプロ清掃員の道へ進む。
 それから、現在春子さんは羽田空港でプロの清掃員として、数百人を束ねるリーダーをやっている。


 春子さんの清掃に対する考え方が素敵。
 「タオルの絞り方」は参考になった。
 

これからの「正義」の話をしよう

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

この本は道徳と政治をめぐる考察をする本である

何が正しくて何が正しくないのかを考えさせられる

実際の出来事を多く引き合いに出し、考察していく

面白かった
本の真ん中あたりでややダレてしまったが、なんとか読めた


読書メモ

便乗値上げは悪いこと?

  • ある物品が、震災などにより不足した時、それを値上げすることは悪いことか?

5人の命と一人の命。

  • 5人を助けるために一人を犠牲にするか?それは正しいことなのかという問。

米兵、ヤギ飼いを殺さなかったために10数人が犠牲に。

  • 敵に見つかるかもしれない。しかしそのために、彼らは無実の、無抵抗のヤギ飼いを殺さなかった。そのために、多くの米兵が死んだ。
  • 一人生き残った米兵の後悔。

多数が幸せならそれでよい?

  • 少数派が不幸でも良いのか?

私は私のもの?

  • 「私のもの」だから、内蔵を売ってお金を手に入れても良い?

リバタリアン…自由至上主義者。

  • 富の再分配に反対する人。制約のない市場を支持する。
  • 中心的主張は、どの人間も自由への基本的権利…他人が同じことをする権利を尊重するかぎり、みずからが所有するものを使って、自らが望むいかなることも行うことが許される権利…を有する。

責任の有無

  • 過去の人が犯した過ちを、後世の人間が謝らなければいけないのか?

自由とは何か

  • 自由な行動とは、自律的に行動すること。
  • 逆に他律的な行動とは、自分以外のものが下した決定に従って行動すること。

道徳的か否かを知りたければ動機を見よ。

  • 行動を起こす意図で決まる。大事なのは動機。
  • 思いやりからなされた善行は、道徳的な価値に欠ける。他者を助けるという行為の動機(善行をなすことで喜びを感じること)と、義務の動機は違う。
  • 義務の動機だけが、行動に道徳的な価値を与える。利他的な人間の思いやりは、「称賛と奨励に値するが、尊敬には値しない」

カントによれば、殺人も自殺も違いはない。

  • 人間には、自分の人間性を踏みにじる権利も、他者の人間性を踏みにじる権利もない。
  • カントにとって、自殺は殺人が誤りであるのと同じ理由で誤りだ。

他者を尊重することは人間の義務であるというカント独自の主張

  • 「我々は正しい行動をすることで正しくなり、節度ある行動をすることで節度を身につけ、勇敢な行動をすることで勇敢になる」
    • 慣行や技能についても言える。

アリストテレス奴隷制擁護論

  • 奴隷になるべく生まれついた人たちがいる。
  • 「主人に支配される方が…彼らにとってはよいのだ」
  • ただし、強制力が必要なら、奴隷には適していない。強制は不正のしるしだ。

『だから日本はズレている』古市憲寿

だから日本はズレている (新潮新書 566)

だから日本はズレている (新潮新書 566)

 とにかく世の中のズレ、とりわけ「おじさん」と「若者」のズレについて古市憲寿さんは毒を交えつつ語る。
 内容はテーマごとに独立しており、どこからでも読める。
 以下、僕が面白いと思った点。

リーダー論

 とかく日本では、「強いリーダー」が求められがちである。たとえば、スティーブ・ジョブスなんかはその代表格だが、彼は別に大したことはしていない、と語る。
 政治においては、強いリーダー、つまり独裁者はろくなことをしないのは歴史が証明しているということ。
 結局、リーダーは別に弱くてもいいし、誰もがリーダーになれる。動き出すのは君だ。

クールジャパンってなんだよ

 クールジャパンクールジャパンって言うけど、誰もその意味を共有していない。皆の考える「クールジャパン」が統一されていない、つまりズレがあるのだ。
 そして金美齢を若干disる古市氏。

心のノートと憲法改正草案は劣化版J-POP

 心のノートとは道徳副教材だが、古市氏はそれをJ-POPであるとする。
 さらに、憲法改正草案について、戦争への布石なんて声があるがそうではなく、ただなんとなく作られたポエムであるという。

深夜のNHKに出てる金髪のジャーナリスト

 思わず吹いた。

止まらない家電メーカーのご乱心

 コミュニケーションがとれる掃除機、イオンが発生するパソコン。どうなってんだ?

スキルアップ教の祖、勝間和代

 勝間和代のブームについて。ここで若干勝間和代をdisる古市氏。

最後に

最後に、古市氏の未来予想図。

感想

 いろんな人をやんわりdisりつつ、様々な「ズレ」を語る古市氏。その切り口は新鮮で面白く、ある意味、古市氏が一番ズレているのではないか。
 クールで、ある種ニヒルなイメージがあった古市憲寿氏。時々、若者へのエールとも取れる記述がある。本当は熱い人なのか、それとも、申し訳程度にそんな文言を付け足しただけなのだろうか。