『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』 安田純平 感想
- 作者: 安田純平
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: 新書
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本書について
2015年から18年まで、シリアで拘束されていた安田純平さんが、かつて記したルポ。
イラクに料理人として潜入し、イラクの人々や情勢について観察。
以下、内容を一部紹介する。
テロリストとは、誰なのか。
「テロリスト」ならば、周囲も含めて無条件に殺してよいのが「対テロ戦争」だ。その「テロリスト」とは誰なのか、という問題は、「対テロ戦争」取材の最重要テーマである。
本来、どんな凶悪犯であろうと、裁判にかけられるが、テロリストと認定されれば、即座に殺される。
「テロ」とは、曖昧で不気味な言葉であり、使うべきではないと、安田氏は言う。
安田氏は、理不尽に殺されたり、虐待されたイラク人を見てきた。日本はイラク戦争に加担した側であるから、安田氏は政府を信用していない、あるいは怒りがあるのかもしれない。
そして、本当の現場の情報を手に入れたい。そのために戦争労働者として潜入したのである。
料理人として
もちろん、安田氏は本職の料理人ではないので、うまく立ち回っていかねばならない。
食材の種類、量が限られたなかでやりくりする、難易度の高いものだったらしい。
指をザックリ切ってしまい、トイレに駆け込むことばかりだったが、どうやらバレなかったようである。
そりゃあ、他の料理人が、腐ってドス黒くなった卵を平気で使うぐらいだから、バレないのも当然かもしれない。
ポール「腐っていたら水に浮くから大丈夫だ」
ともかく、安田氏は止血の方が得意になっていったという。
クイズを勉強にどう応用するか
- 作者: 日高大介
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/10/28
- メディア: Kindle版
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著者について
様々なクイズ番組で優勝・準優勝。さらに、クイズ作家として多くの番組やイベントにて問題作成・演出・監修を手掛ける。
中学2年から本格的にクイズにのめり込み、学校の勉強にもクイズが使えることがわかる。
そんな著者はクイズの勉強を「効率的な勉強法」であると語る。クイズからは、プロセスやアイデアを学ぶことができると。
本書について
クイズの面白さや、クイズの上達法とそれを応用した勉強法を紹介していく。後半では漢検一級の勉強のしかたも。
以下、本書で気になった箇所を紹介する。
クイズの効用
・クイズに答えられるということは、成功体験であり、モチベーションを維持することに繋がる。
・1問わかれば、何倍もの問題に対応できる。様々な角度から出題される可能性があるからだ。
クイズ勉強法
奇抜な連想で新しい知識を既存の知識と結びつけていく。これが知識を増大させるコツの一つです。
と語る著者。本書では実際にクイズ問題を見ながら、効率的な勉強法を紹介していく。
さらに、「データもの」の知識をインプットする際のやりかたについては
共通項でくくる、特殊なものから覚える、自分で問題につくりかえる、声に出して覚える。
データをまとめて覚えるときには、まず幹をしっかり押さえてから枝葉を覚える。
漢検一級については、主に次の3点。
どんな問題が出るのか把握し、知識を吸収し、実践練習。
ゾーン
最後に、勉強法ではないが、著者が「ゾーン」に入った経験が面白いと思った。
「ゾーンに入って」<中略>「Q.”米”という漢字に・・・」で、ポーンとボタンを押し、僕が答えたのは「謎!」。正解でした。問題の続きがどうなるか、おわかりでしょうか?<中略>なぜここまで全体像が脳に浮かんだのか、自分でも説明できません。それくらい、集中しきっているときには、自分の能力以上のものがパフォーマンスできる、ということでしょう。
感想
「勉強法」の本としては、どちらかというと「良」な本。
『英語学習のメカニズム』 感想
本書の内容
著者は、第二言語習得について研究している。
本書ではその研究成果と、第二言語をどう学び、教えるかということが書かれている。
章ごとに二、三冊のブックガイドがある。全7章。
以下、内容を一部紹介する。
インプット
そもそも学習において、インプットは必要不可欠だ。ではどれほどの量が必要なのか。そして効率的な方法とは?
大量のインプットを取り込む際、4つの条件があるという。
「理解可能性」「関連性」「真正性」「音声と文字のインプット」である。
そのうち「関連性」において、興味深いデータがある。自分が面白いと思って読んだものは、定着率が1.15倍に上がるそうだ。
アウトプット
アウトプットは、自らの能力の穴を発見し、正確さを確認するために必要だ。
アウトプットの役割と量を増やす効果的方法について考えていく。
最後に著者は、おすすめの教材ソースをいくつか紹介している。
モチベーション
ある調査がある。あらゆる天才にインタビューをした時に、必ず「10,000時間」という数字が現れるのである。それは、それまで打ち込んできた時間だ。つまり、プロフェッショナルになるには、1万時間必要なのである。
1万時間とは、毎日3時間でも10年である。いったい、どのようにモチベーションを維持していけば良いのかを考える。
学習方略
学習の方法、メタ認知について。
感想
とても参考になった。内容もそうだが、ブックガイドや教材ソースが適度にあるところが良い。
英語だけでなく、勉強法としても良い本。