これからの「正義」の話をしよう
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 文庫
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この本は道徳と政治をめぐる考察をする本である
何が正しくて何が正しくないのかを考えさせられる
実際の出来事を多く引き合いに出し、考察していく
面白かった
本の真ん中あたりでややダレてしまったが、なんとか読めた
読書メモ
- 便乗値上げは悪いこと?
- 5人の命と一人の命。
- 米兵、ヤギ飼いを殺さなかったために10数人が犠牲に。
- 多数が幸せならそれでよい?
- 私は私のもの?
- リバタリアン…自由至上主義者。
- 責任の有無
- 自由とは何か
- 道徳的か否かを知りたければ動機を見よ。
- カントによれば、殺人も自殺も違いはない。
- 他者を尊重することは人間の義務であるというカント独自の主張
- アリストテレスの奴隷制擁護論
便乗値上げは悪いこと?
- ある物品が、震災などにより不足した時、それを値上げすることは悪いことか?
5人の命と一人の命。
- 5人を助けるために一人を犠牲にするか?それは正しいことなのかという問。
米兵、ヤギ飼いを殺さなかったために10数人が犠牲に。
- 敵に見つかるかもしれない。しかしそのために、彼らは無実の、無抵抗のヤギ飼いを殺さなかった。そのために、多くの米兵が死んだ。
- 一人生き残った米兵の後悔。
多数が幸せならそれでよい?
- 少数派が不幸でも良いのか?
私は私のもの?
- 「私のもの」だから、内蔵を売ってお金を手に入れても良い?
リバタリアン…自由至上主義者。
- 富の再分配に反対する人。制約のない市場を支持する。
- 中心的主張は、どの人間も自由への基本的権利…他人が同じことをする権利を尊重するかぎり、みずからが所有するものを使って、自らが望むいかなることも行うことが許される権利…を有する。
責任の有無
- 過去の人が犯した過ちを、後世の人間が謝らなければいけないのか?
自由とは何か
- 自由な行動とは、自律的に行動すること。
- 逆に他律的な行動とは、自分以外のものが下した決定に従って行動すること。
道徳的か否かを知りたければ動機を見よ。
- 行動を起こす意図で決まる。大事なのは動機。
- 思いやりからなされた善行は、道徳的な価値に欠ける。他者を助けるという行為の動機(善行をなすことで喜びを感じること)と、義務の動機は違う。
- 義務の動機だけが、行動に道徳的な価値を与える。利他的な人間の思いやりは、「称賛と奨励に値するが、尊敬には値しない」
カントによれば、殺人も自殺も違いはない。
- 人間には、自分の人間性を踏みにじる権利も、他者の人間性を踏みにじる権利もない。
- カントにとって、自殺は殺人が誤りであるのと同じ理由で誤りだ。
他者を尊重することは人間の義務であるというカント独自の主張
- 「我々は正しい行動をすることで正しくなり、節度ある行動をすることで節度を身につけ、勇敢な行動をすることで勇敢になる」
- 慣行や技能についても言える。