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【小説】美女と竹林 森見登美彦

美女と竹林 (光文社文庫)

美女と竹林 (光文社文庫)

 

 著者の森見登美彦氏はエッセイを書くことになり,果たして自分が本当に好きなものとはなんぞやという疑問に苛まれ,漸く出てきたのは『美女と竹林』というワードであった。そこで登美彦氏は同僚の実家付近にあるまったく手入れされていない竹林を刈ることで,エッセイのネタにし,果ては大規模な竹林事業を展開することを企む。登美彦氏は司法試験合格を目指す友人の明石さんを招集し,竹林へ赴くが思わぬ竹の抵抗にあい激しい筋肉痛に。そして妖怪「締切次郎」に追い回される登美彦氏は竹林に行けない日々が続く。

 妄想と現実が入り乱れて,最終的には何がなんだかわからなくなり,竹に関する知識が若干増える。登美彦氏はこの時から「締切次郎」に追われていたんだなあ。締切次郎を退治して早く戻ってきて欲しいですね。