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Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただの読書メモ。

【小説】赤朽葉家の伝説 桜庭一樹

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

 

未来を見通せる力を持つ純粋なる乙女,万葉。丙午の年に産まれた凶暴だが筋の通った少女A,毛毬。そして万葉の孫で毛毬の娘,特筆すべき点もない所謂ゆとり世代,この小説の語り部,瞳子。そんな彼女たちの生き様を,現代史を背景に綴られたのがこの赤朽葉家の伝説である。

 

読書感想文的なことを書くつもりはないし書けないので,適当に書いてみる。

 

まず万葉は千里眼の能力があり,未来視することができる。その未来視によって赤朽葉家は助かったり助からなかったり。問題が起きたり起きなかったりする。

 

そしてその娘,毛毬は大笑いしながら万葉の腹から飛び産まれ,跳ねまわるという豪快っぷり。毛毬は丙午の年に生まれたということで,とても暴力的な女娘である。しかしインパクトの強いのは,毛毬の義妹,百夜であろう。なんとこの娘,毛毬の彼氏を片っ端から寝取ってしまうというとんだ破廉恥娘なのだ。昨今話題の,「NTR」である。

 

毛毬の娘である,瞳子。「自分が語るべき物語はない,本当に,ない」と祖母と母の人生が凄すぎて悲観してやがて達観するに至るのだが,やがて彼女は,万葉に関する最大の謎にぶち当たる。

 

ふと思ったのだが,瞳子は祖母や家族から,赤朽葉家の伝説を聞いた。小さい時から,中学生の時代にかけて。そんな時分から,百夜の所業を語っていたのだろうか。だとすると,胸が熱くなる思いである。

 

さて,もちろん彼女たちの他にも,魅力的な人達がいっぱいいる。

 

赤朽葉家の屋敷を毎回転がるように駆けつけてくるタツ。あの百夜の母であり,女中である,元祖寝取りの達人であり裸踊りを披露する奇人,真砂。ノストラダムスの大予言に怯え,迫りつつある核戦争に震える孤独。その他色々な人が登場する。

 

筆者がここまで書けたのも,ひとえにこの本の内容の濃さに起因する。とても面白かった。ちなみに筆者は万葉が好きだ。・・・敢えて百夜とは言うまい。

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