Brilliant Grunt

各種作品の感想、批評。或いは、ただのメモ。

『富士山の単語帳』

富士山の単語帳

富士山の単語帳

 壮大で美麗な富士山の写真と共に、富士にまつわる様々なジャンルの言葉が紹介されている。ダイアモンド富士、桜と富士、富士を装飾するさまざまな雲、宗教、参拝しにいく白装束の人、樹海、そこに住むリスとかクマとかいう住人達、川に潜むクニマス、など。途中からは写真が白黒になる。あとは、ことわざ、1~2ページしかない日本画、詩などがある。
 写真が美しく、富士の事をいろいろ知ることができ、サクッと読めた。

『想像ラジオ』 いとうせいこう

想像ラジオ

想像ラジオ

 想像ラジオ、それは誰もが自由に聞くことが出来る。想像なので、ラジオがあろうとなかろうとどこでだって受信でき、好きな曲が流れ、遡ることも可能である。DJは、高い高い杉の木の頂上で、仰向けになっている男。彼は愛する妻と子が気がかりで、その思いが想像ラジオ開設に至らしたのかもしれない。リスナーはまたたく間に増えるが、肝心の人の耳には届かない。そして、ある人はその存在を感じるが声は聞こえず、車の中でよくわからない議論をしては想像ラジオを聞こうとする。やがて、木の上のDJは家族の声に耳を傾け、お父さんとお兄さんは先に旅立っていく。
 主人公の語りは良いけれど、Sさんがよくわからず、車の中での議論もいまいちピンとこないし、ラストが思ったよりパッとしなかった。全体的に、良く分からない、という印象。感動というのも特になかった。

文学のことば

文学のことば

文学のことば

 良い言葉はどこに潜んでいるかわからない。新聞の一見出や段ボール箱の文字も、これは詩だ、と思ったりするらしい。著者が良いと思った言葉とか小説などが延々と紹介されていく。
 ここで紹介された本を何冊かは読もうと思った。あとは元号から西暦への変換方法が参考になった。